第28回 伝統文化ポーラ賞 地域賞

近畿
  • 題目立保存会(だいもくたてほぞんかい) [ 会長:徳谷 寿明 ]
  • 奈良県
「題目立の保存・継承」
昭和51年に国の重要無形民俗文化財に指定された「題目立」は、奈良市上深川町の氏神八柱神社の秋祭りに伝承される貴重な民俗芸能である。記録では、『多聞院日記』天正4年(1576)の記述に「題目立トテ田舎ノ宮ウツシノ時、昔ノ名仁ノ出立ニテ名乗、」と記載されている。近郷に室町時代後期の題目立の詞章も残る。呼称の由来は、1603年に日本イエズス会が刊行した『日葡辞書』に「ダイモク」を「ナヲアラワス」と記述されていることから、題目立がまず名乗りを行ない、そのあとに順次、物語を語り継いでゆくことからきたのではないかと推測されている。
今日、この上深川の題目立が唯一の存在であり、宵宮10月12日に神社本殿下の境内で代々17才以上の青年たちによって演じられている。演目は源平の武将に題材をとった「厳島」、「大仏供養」、「石橋山」の三曲が伝わるが、語り物が舞台化した初期の形と見なされて、中世の芸能の面影を今に伝えるものとして高く評価されている。今年も題目立保存会の指導を受ける青年たちのひたむきに取り組む姿は美しく、またその想いは熱い。
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