第29回 伝統文化ポーラ賞 優秀賞

  • 加藤 孝造(かとう こうぞう)
  • 74歳
  • 岐阜県
「瀬戸黒・志野・黄瀬戸の制作・伝承」
加藤 孝造さんの陶歴は、昭和28年 岐阜県陶磁器試験場で、幸兵衛窯の礎を築いた五代目 加藤幸兵衛氏に陶芸の指導を受けたのが始まりである。その才能は多才で、洋画部門で、翌年の第10回日展に初入選、この年の全国最年少入選となった。しかしながら、やはり将来の進路は美濃陶芸であると志を固め、その制作に没頭していった。
昭和45年、志野をはじめ、黄瀬戸、瀬戸黒など桃山時代に開花したやきものの美に魅せられ、その再現に取り組んだ重要無形文化財保持者 荒川 豊蔵氏と出会い、陶芸のみならず人生の師と仰ぐことになる。
翌年、可児市久々利に穴窯と登窯を築き、手回し轆轤や薪による焼成等の桃山陶芸技法による制作を以後、自身のライフワークとした。その作品は桃山の志野・瀬戸黒を原点にその伝統を継承しながらも新しさを追究したもので、手になじみ易く落ち着いており、加藤さんの風貌をほうふつさせる。平成7年、岐阜県重要無形文化財「志野・瀬戸黒」の保持者に認定。
さらに、加藤さんの美濃陶芸に対する思いは大きく、美濃陶芸協会会長としてその社団法人化に努め、陶芸界の発展に力を注ぐと共に、近年では若手陶芸家を集い「風塾」を創設、後継者の育成にも尽力しているなどまさにその功績と貢献は多大である。
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