第29回 伝統文化ポーラ賞 地域賞

  • 金丸八幡神社宵宮神事保存会(かなまるはちまんじんじゃよいみやしんじほぞんかい)
  • [ 会長:金丸 求 ]
  • 徳島県
「金丸八幡神社宵宮神事の保存・伝承」
昭和30年5月より県の無形民俗文化財に指定されている金丸八幡神社の宵宮の神事は、徳島県三好郡東みよし町中庄の八幡神社の秋祭り前夜(10月14日)に、かがり火が燃える境内で執り行われる神楽の舞である。
その沿革は定かではないが、江戸時代には地域の神職たちにより演じられていたと伝えられている。明治政府の神仏分離令により一旦中止され、その後昭和初期に氏子の有志たちにより再生されたが、大戦により再び中断、戦後は集落別当家制の輪番としたが、後継者の若者がいない集落もあり、平成8年に金丸八幡神社宵宮神事保存会を結成、継続の危機を乗り越え今日まで伝承されている。
この神事は、中国伝来の陰陽五行説を題材にこの世の最初の神とされる盤固(はんご)大王の物語を神楽舞として奉納することにより、気象の安定を願い五穀豊穣を祈願したものとされる。
剣や扇を手にしたはかま姿の六名の若者によって奉納されるこの舞は、「おんじゃく」と呼ばれる神の御魂代を神殿に納める降神の儀式から始まり、剣の舞、四王子の舞、乙子の五郎の舞、榮場のお開きと続いていく。一人ずつ舞い、時に二人の組になって激しく舞い、それぞれに口上を述べていく。
過去の中断で詞資料が現存せず、口上の台詞が口誦による伝承であることから一人でも多くの後継者が育つ環境を創ろうと平成19年には、保存会として宵宮神事の映像記録の作成にも取り組んでいる。現在も次世代への継承の努力は日々続いており、その貢献はまことに多大といえる。
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