第30回 伝統文化ポーラ賞 優秀賞

  • 大和 保男(やまと やすお)
  • 77歳
  • 山口県
「萩焼の制作・伝承」
大和保男さんは昭和8年、山口萩焼の開祖大和作太郎松録の次男林椿庵大和春信松緑の次男として山口市に生まれる。小学の頃、第二次世界大戦の影響を受け、窯の職人も召集され窯の経営も窮地に立たされ、陶工として窯の仕事を手伝うようになる。中学に上がる頃には父から萩焼の指導を受け、一人前の職人に成長していた。昭和26年、京都の臨済宗東福寺塔頭に2年間住み込み、陶芸家や画家と交流した経験から自らの表現方法を探り、塩釉(しおくすり)の技法を生みだし、独自の表現を獲得した。昭和34年光風会展工芸賞を受賞、以後、新しい造形を主軸として数々の賞を受賞。昭和50年日本伝統工芸展に初入選、この頃から塩釉で箔を圧したような表現の「炎箔(えんぱく)」という技法を確立した。さらに、萩焼では前人未踏の分野であった「陶壁(とうへき)」の大壁面の制作を手がけ、山口県立美術館やNHK山口放送局など数多くの施設において制作しており、萩焼の持つ可能性を開花させた。昭和55年日本工芸会山口支部幹事長に就任以来、30年の長きにわたり支部役員を務め、山口県立大学大学院の非常勤講師にも就任し、若手の指導・育成に当たる。また、平成12年にはフランスにおいて、「萩焼400年パリ展」を開催するなど、国際交流にもその果たす役割は増し続けている。
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