第30回 伝統文化ポーラ賞 地域賞

2010/5/29京都芸術センター

  • 和田 一久(わだ かつひさ)
  • 65歳
  • 京都府
「京極流箏曲の保存・伝承」
明治時代に鈴木鼓村によって京都寺町で創立された箏曲京極流は、二世宗家の故・雨田光平の努力により昭和48年に国の選択無形文化財(記録をとる)に選ばれた。和田一久さんは京大在学中の昭和40年から福井市の雨田光平師のもとに通って修業し、譲られて師の没後昭和60年に三世宗家を継承した。その演奏は箏曲改革を志した始祖の意図を正しく汲んで伝承したもので、古雅でおおらか、抜群の歌唱力も高く評価されている。現在は京都の法然院をはじめとする寺院で毎年秋に個人リサイタルを続けてその普及に努め、京極流そのものの歴史と楽理を整理してその啓蒙に努めているほか、京極流の源流である箏の組歌の歌詞評釈・筑紫箏の基本文献の翻刻・筑紫箏と同時代の朝鮮雅楽書『樂學軌範』の訓読と語釈・和琴前史の研究などの音楽史研究・著作活動にも励んでいる。同時に氏のもとには、全国でも名の通った他派の箏曲演奏家が、折に触れ「歌謡を主とする」その楽曲の習得に通うなど、古典の見直しを通した真の日本音楽創生へ提唱が認められつつある。氏は現在は福井市在住であるが、京極流誕生の地での地道な啓蒙普及活動への評価と、後継者育成のための機会(平成22年度京都府古典芸能振興公演)立上げによる今後の活動への期待とから、近畿ブロックでの受賞となった。
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