第30回 伝統文化ポーラ賞 地域賞

撮影:小河孝浩氏

  • 西米良神楽保存会(にしめらかぐらほぞんかい)
  • 宮崎県
「西米良神楽の保存・伝承」
九州中央山地に位置する西米良村は、人口1300人余、総面積の約96%を山林が占める山村であるが、祖先から受け継いできた文化遺産が数多く残っている。
西米良神楽は大和神楽の流れを汲むもので村所、小川、越野尾の三系統ある。いずれも南北朝時代、九州における唯一の朝廷方豪族であった菊池氏が、菊池城落城後、後醍醐天皇の第9皇子懐良親王を奉じて米良山中に入山したことにより興ったものと伝えられ、文明三年(1471)懐良親王を祭る大王宮が建立された際に奉納されたのが米良神楽の始まりと言われる。その舞振りは宮中において舞われていた舞であり、優雅で荘重さを保ち、その中に勇壮な出陣舞等が見られる。朝鮮風や唐風の舞が取り入れている点は、奈良・平安時代の文化を経てきたものとも言われている。現在では、毎年12月に村内5地区ほど(地区によって開催年が違うため)で三十三番の夜神楽を奉納しているが、後継者や指導者の確保育成が厳しくなってきている。しかし神楽は村民に最も親しまれ、また心の支えともなっており、地区住民や氏子の協力により維持されてきた。さらに県内外の伝統文化イベント等に積極的に参加、平成20年に西米良神楽解説書を、平成21年にはDVDを作成し、住民をあげて貴重な文化の保存・伝承につとめている。
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