第31回 伝統文化ポーラ賞 優秀賞

工房にて、作品「羅馬聖光」ローマ セイコウの彩色製作風景

  • 中村 信喬(なかむら しんきょう)
  • 54歳
  • 福岡県
「博多人形の制作・伝承」
中村信喬さんは昭和32年、中村筑阿弥氏を祖父に、中村衍涯(えんがい)氏(福岡県重要無形文化財)の長男として福岡市に生まれる。幼い頃から三代目と呼ばれ、父の姿を見て育った。博多人形は、福岡県の伝統工芸品のひとつで、黒田武士や芸者、美人物などの種類があり、焼き土人形である。 昭和54年九州産業大学芸術学部美術学科を卒業後、家業を継ぐため京都で修行を積み、翌年継ぐこととなる。昭和58年に人形作家 林駒夫氏(昭和11年重要無形文化財「桐塑人形」保持者認定)に師事し、その時の経験から博多人形だけでなく、他流の人形や、肖像、博多祇園山笠の人形なども制作するようになる。そして、昭和60年伝統工芸人形展に初入選、平成11年日本伝統工芸展高松宮記念賞を受賞し、数々の受賞をしている。また、中村さんは九州産業大学芸術学部美術学科や博多織デベロップメントスクールの講師として後継者育成にも力を入れており、日本工芸会正会員、自立した博多人形師として多くの若い人形師を輩出し続けている。本年3月には個展「中村信喬の世界」(於:福岡三越)の開催を果たし、今後はローマ、パリでの展覧会も予定している。中村さんはこれまでの経験を活かし、博多人形の可能性を広げ、人に夢を与える人形を作り続けている。今まさに旬の輝きを放っている。
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