第31回 伝統文化ポーラ賞 優秀賞

平成7年松本道子バレエ団ペルー公演「真夏の夜の夢」リハーサル風景

  • 有賀 二郎(ありが じろう)
  • 78歳
  • 東京都
「舞台美術の制作」
有賀二郎さんは、昭和8年東京に生まれ、東京芸術大学在学中より約60年余り日本舞踊、歌舞伎公演を始め、洋舞、児童劇等の舞踊・演劇全般にわたって、舞台美術の制作に携わり、多彩な舞台芸術の美術(装置、衣裳、小道具、仮面等)に新鮮な境地を示してきた。とくに日本舞踊の舞台美術には若い頃から関わり、著名な舞踊家たちの創作活動に大きな刺激と影響をあたえ、創作舞踊界にひとつの画期をもたらした。また、有賀さんの誠実な仕事への取り組みは、舞台美術家の故田中良氏、舞台照明家の故遠山静雄氏(元帝国劇場支配人)などからも信頼され、古典・創作にかかわらず新しい見解で舞台を創り、出演者からも大いに頼りにされている。舞台美術家は、表舞台には出ないが作品を生かす創作力を求められる存在であり、有賀さんの仕事は、舞台を見にきた観客の心を瞬時にとらえ、非日常の時空へ誘うための大きな役割を担い、演出の効果を高めることに奏功する。その成果は、かつて舞踊ペンクラブ賞を2回受賞していることでも明らかである。現在は、日本舞台美術協会会員、集団・日本舞踊21顧問として、後進の指導・育成にも力を注いでいる。有賀さんは、日本の伝統文化の発展・継承に多大の貢献を果たしてきており、今や舞台美術制作の発展に欠かせない存在である。
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