第31回 伝統文化ポーラ賞 地域賞

与市兵衛と定九郎が歌舞伎芝居「仮名手本忠臣蔵五段目」山崎街道の荒事を演ずる。平成23年5月5日。JR八郎潟駅前にて。「願人踊」の一場面。

  • 一日市郷土芸術研究会
    (ひといちきょうどげいじゅつけんきゅうかい)
  • 秋田県
「一日市民俗芸能の保存・伝承」
八郎潟町一日市地区で5月5日に行われる「願人踊」。地元神社の祭典で五穀豊穣等を祈願しながら踊りを奉納後、地区の家々を巡演する門付け芸能である。女物の襦袢を着用した踊り手が早いリズムに合わせて力強く奔放に踊り、合間に「仮名手本忠臣蔵5段目」山崎街道を模したコミカルな寸劇を演ずるのが特徴。260年以上前から伝わる民俗芸能だが、戦後の混乱期には祭典統一により衰退しその歴史が途絶えそうな危機があった。昭和27年、一日市郷土芸術研究会はその願人踊の保存・伝承のため結成され、メンバーは行事を継続しながら、国立劇場や各地での公演に積極的に参加、東北を代表する民俗芸能に育てた。またこの地では供養・念仏の要素を残しながらも、豊作祈念、慰安も併せた娯楽性の強い踊りで4百年余りの歴史を持つと云われる「一日市盆踊」が8月18−20日の3日間催される。地元の老若男女が多数参加する盛大な盆踊りで「毛馬内」・「西馬音内」と並び秋田県三大盆踊りに称せられている。一日市郷土芸術研究会は県無形民俗文化財に指定されているこの二つの踊りの主たる保存団体となっているが、この他にも秋田音頭など地域の伝統芸能を後世に伝承すべく、地元の小中学生をはじめ地域住民への継続した講習会の実施、発表披露の公演、行事運営など幅広く活動を展開し、一日市の民俗芸能の保存継承に貢献、貴重な地域文化を支え続けている。
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