第31回 伝統文化ポーラ賞 地域賞

突(つき)鑿(のみ)で羽を上げた後、鷽(うそ)の特徴である胸の朱(赤)色から彩色を行う。(毎年8月に行う木うそ後継者育成講習会にて)

  • 太宰府木うそ保存会(だざいふきうそほぞんかい)
  • 福岡県
「『太宰府の木うそ』の保存・伝承」
「太宰府の木うそ」は400年近い歴史があるとされており、鷽鳥の姿を模して、突鑿(つきのみ)を使って制作する一刀彫である。木うそは太宰府天満宮に縁のある神社で行われる鷽替神事とともに全国に広まり、各地で様々な形や色の木うそが制作されている。「太宰府の木うそ」は薄く巻き上げられた繊細な羽が特徴である。厚さ数ミリの羽を同じ幅、均等に鑿で削り出す制作技術は、非常に難しく、熟練した技が必要とされる。さらに、羽一枚、一枚を彩色し、鋭く大きな目や頭部に金紙を貼る木うそは太宰府独自の意匠と歴史を伝えるものである。 「太宰府の木うそ」は、昭和58年に福岡県指定特産民芸品に選定され、太宰府の顔として親しまれた。しかし、平成に入り、木うそ職人の急激な減少で太宰府天満宮前の店で木うそが見られなくなったが、保存会の活動により会員が増加し、平成10年12月に太宰府木うそ保存会が発足した。太宰府木うそ保存会は、会員の技術向上を目的とした後継者育成講習会や、木うそ展示会の開催など、設立当初から後継者の育成を進め、会員の増加と制作技術の伝承に努めている。平成23年1月、「太宰府の木うそ」は太宰府市市民遺産第1号に認定され、ますます、太宰府木うそ保存会は、木うその制作技術を伝承していくだけでなく、全国各地の「鷽替神事」や「木うそ」文化を保存、伝承する重要な役割を担っている。
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