第32回 伝統文化ポーラ賞 優秀賞

平成24年7月撮影
蒟醤剣で蒟醤彫りの作業風景

  • 山下 義人(やました よしと)
  • 昭和26年生まれ
  • 香川県
「蒟醤(きんま)の制作・伝承」
 山下義人さんは、昭和45年磯井正美氏(昭和60年重要無形文化財「蒟醤」保持者認定)に師事し、工房で漆芸の加飾技法の一つである蒟醤技術を研鑽した後、昭和51年から田口善国氏(平成元年重要無形文化財「蒔絵」保持者認定)のもとで蒔絵技術を習得した。
 昭和56年より香川県漆芸研究所工芸指導員となり、後進の育成に努めながら制作活動に精進し、昭和62年日本伝統漆芸展で文化庁長官賞、平成元年日本伝統工芸展で朝日新聞社賞を受賞し、その後も数々の賞を受賞している。
 平成12年〜16年金刀比羅宮の式年遷座祭に際し、本宮天井画の「桜樹木地蒔絵」の復元の監修を行い、文化財の分野でも成果をあげ、平成13年には香川県指定無形文化財に認定された。
 ニューヨーク、デンバー、台湾、パリなど海外の展覧会にも招待出品し、平成23年からは、石川県立輪島漆芸技術研修所講師も兼任し、後進の指導にあたっている。
 山下さんは漆芸の表現領域を広げ、深みのあるものとしているとともに、水紋、砂丘など抽象的なものから、月、富士など具象的なモチーフにいたるまで、意匠の斬新さもその特徴である。今後も漆芸の分野で重要度も増し、一層の貢献が期待されている。
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