第32回 伝統文化ポーラ賞 優秀賞

『ひらかな盛衰記』 「逆櫓の段」
船頭松右衛門実は樋口次郎兼光
2011年(H23) 9月 文楽公演
東京 国立劇場
撮影 渡邉 肇

  • 吉田 玉女(よしだ たまめ)
  • 昭和28年生まれ
  • 大阪府
人形浄瑠璃文楽人形の伝承・振興
 吉田玉女さんは、昭和28年大阪府に生まれ、昭和43年14歳で吉田玉男師(昭和52年重要無形文化財 文楽 人形浄瑠璃文楽人形 保持者認定)に入門し、翌年昭和44年大阪朝日座で初舞台を踏んだ。
 入門より師の足遣いとして修業し、昭和55年より師の左遣いを勤め、師の多くの当たり役を間近で薫陶を受け、芸風・芸格を受け継ぐと共に、日夜努力研鑽し、また後進に伝えるべく努めている。
 昭和50年国立劇場奨励賞、昭和54年文楽協会賞を受賞し、その後も大阪府民劇場奨励賞、関西芸術大賞ゴールデン賞、国立劇場文楽優秀賞等数多くの賞を受賞している。
 現在、文楽の立役(男)人形遣い第一人者として誰もが認める存在で、伝統ある古典のみならず、新作演目にも独自の解釈を持って正しく演じている点など高く評価されている。
 国立劇場養成事業の文楽研修講師を長年勤め、後進の指導・育成にも努めており、平成17年より公演の左遣い、足遣い配役決定の小割委員を担当している。
 文楽界全体を牽引する立場にまで成長した玉女さんは、今後も大いなる活躍が期待されている。
close