第33回 伝統文化ポーラ賞 大賞

『江口 平調返』
一子相伝の小書「平調返」。
「三輪誓納」とともに観世宗家に大切に相伝されている。
25世観世左近23回忌追善能 (H24.4)

二十六世観世宗家 観世清和氏

  • 観世 清和(かんぜ きよかず)
  • 昭和34年生まれ
  • 東京都
能楽の伝承・振興
二十六世観世宗家 観世清和氏は、室町時代の観阿弥、世阿弥の流れを汲む 観世流の宗家として、現代の能楽界を牽引している。父、二十五世観世宗家、観世左近元正氏に師事し、昭和39年4歳のとき「鞍馬天狗」花見で初舞台を踏んだ。平成2年観世流家元を継承し、翌3年財団法人観世文庫を設立、理事長に就任した。
公演活動としては、観世会定期能をはじめ、「三輪・誓納」、「江口・平調返」、「定家・袖神楽・露之紐解・甲之掛」など大曲、秘曲を勤め、国内外で多くの公演に取り組んでいる。平成23年5、7月には東日本大震災義援能3公演を開催し、その後も義援活動を継続している。また、同年7月には観世宗家としては実に二百年振りとなる最奥の秘曲「関寺小町」を上演し、五老女を演じきった。
観世宗家に伝わる能面・能装束や、貴重な文書の保存・活用と、国内外への能の普及を目的として財団法人観世文庫を創設したのも大きな功績であり、その学術的研究成果の舞台への回帰という形で自身の芸を著しく高めている。財団設立後全国9都市で「幽玄の華」展をいち早く開催し、世阿弥自筆本など貴重な収蔵品を公開した。上演が途絶えていた世阿弥の能「箱崎」、「丹後物狂」の復元もその学術精査を背景とするもので、国立能楽堂における世阿弥自筆本による「阿古屋松」等の復曲上演も後世に残る大きな功績である。
受賞歴としては、平成7年度芸術選奨文部大臣新人賞、平成9年フランス芸術文化勲章シュヴァリエ章、平成24年度芸術選奨文部科学大臣賞などを受賞した。
本年は観阿弥生誕六百八十年、世阿弥六百五十年の生誕記念の年を主宰し、その各種事業を全国規模で開催、観世一流を超え能楽界全体の普及啓発と振興に大きく貢献している。
close