第34回 伝統文化ポーラ賞 優秀賞

平成26年7月 NYスタジオにて
ニューヨークでの弟子の稽古の様子

  • 藤間 勘祖(ふじま かんそ)
  • 昭和20年生まれ
  • 東京都
歌舞伎舞踊の保存・振興
日本舞踊の流派のひとつの宗家藤間流は、歌舞伎舞踊の振付に重点を置いているのが、その特徴といわれる。宗家藤間流は、始祖・藤間勘兵衛が、弟の藤間勘左衛門とともに、故郷の藤間村(現在の埼玉県川越市藤間)から江戸に上った宝永元年(1704)に始まり、300年以上の歴史を持つ。 藤間勘祖さんは昭和20年、二世藤間勘祖(六世藤間勘十郎)と、藤間紫の長女として生まれ、3歳で長唄『五條坂景清』の禿で初舞台を踏み、昭和41年『鏡獅子』で本格的に日本舞踊の世界へと進む。その後、平成2年に七世藤間勘十郎を襲名。平成14年に三世藤間勘祖を襲名した。
現在の藤間勘祖さんは七世宗家となり、父である先代の勘祖師より早くから指導を受け、宗家藤間流を継承するだけでなく、歌舞伎舞踊の振付でも頭角を現してきた。昭和49年には、弱冠29歳で歌舞伎座「芸術祭参加十月大歌舞伎」公演の『舞鶴五條橋』で歌舞伎舞踊の初振付を経験。それを皮切りに、今日に至るまで全国で行われる歌舞伎公演の振付のために、東奔西走している。また、独立行政法人日本芸術文化振興会の養成事業の歌舞伎分野の指導、監修にも携わっている。こうした活動から、平成8年度日本芸術院賞を受賞。
昨年4月に開場した、新しい歌舞伎座柿葺落しの幕開きで、坂田藤十郎、中村魁春 、市川染五郎が演じた『壽祝歌舞伎華彩 鶴寿千歳』も当代勘祖さんの振付によるもの。また、歌舞伎俳優の幹部から若手に至るまで、日常的に舞踊指導を行うなど、歌舞伎界の発展を支える力として信頼、評価されており、今回のポーラ賞の受賞へ結びついた。当代の歌舞伎俳優たちが、藤間勘祖さんに全幅の信頼を寄せているのは、常に相手の立場になって振り付ける、真摯で確かな指導力だ。
また藤間流宗家として門徒の指導と育成、花柳界の舞踊指導、「藤間会」を始めとする舞踊会の主催、監修なども務めている。
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