第34回 伝統文化ポーラ賞 奨励賞

平成24年
地歌箏曲 福田栄香の会
〜古典とうた語り
(於 紀尾井小ホール)

  • 福田 栄香(ふくだ えいか)
  • 昭和39年生まれ
  • 東京都
地歌箏曲の保存・伝承
地歌箏曲とは本来は座敷などで弾き語られ、内に秘めた情念を、聴く人の心に響かせ伝えるというところに特色がある。その地歌箏曲家として、昭和39年生まれの福田栄香さんは、九州系といわれる「三ッの音会」の三代家元として、第一線で活躍中の若手演奏家である。
「三ッの音会」を創立した初代福田栄香を祖母に持ち、二代家元であった故・福田種彦が父という恵まれた家柄に育ち、平成21年に二代福田栄香を襲名している。今や地歌箏曲の大きな芸系となった九州系は、その祖となる宮原検校の門人で天才長谷幸輝(後の長谷検校)が、熊本から東京へ進出してきたことから、今日の「三ッの音会」の活躍が始まる。祖母の初代は艶やかな美声が「長谷の三羽烏」と評判になり、『東京三曲名家一覧』に"西の横綱"と評された逸材であった。
その血を引く二代福田栄香氏は、幼少の頃から、父に箏・三弦を師事。3歳で初舞台を踏み、昭和63年には文化庁国内研修生となり、平成4年には初リサイタルを開き、平成5年には文化庁芸術祭賞を史上最年少の29歳で受賞するという快挙を成し遂げた。また、平成11年のドイツ公演を皮切りに数多くの海外公演や大学などでワークショップも開催し、精力的に活動している。
「三ッの音会」の家元としては、定期演奏会や賛助出演、合奏研究会などの活動を積み重ね、公益社団法人日本三曲協会や生田流協会の理事も務めており、その中では「文化芸術による子供の育成事業」など、子供たちや若手に向けた邦楽の普及にも企画推進から携わっている。
さらには、自身の新しい境地の開拓として、新企画地歌「うた語り(源氏物語シリーズ)」も始めており、歌の力量、三弦の技術はもとより、音楽性、人間性、指導力が評価されて今回の受賞となった。
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