第34回 伝統文化ポーラ賞 地域賞

平成26年2月11日に現地奉納した御渡りのシーンです。
雨錫寺境内にある河津明神社の鳥居から石段を進む様子で区長に続き保存会長は演技者の先頭で進みます。

  • 杉野原の御田の舞保存会
    (すぎのはらのおんだのまいほぞんかい)
  • 昭和40年設立
  • 和歌山県
杉野原の御田舞の保存・伝承
杉野原の御田舞(おんだまい)は、和歌山県有田川町の杉野原地区に伝わる豊作を祈願する伝統ある芸能のひとつ。隔年の2月11日に、国指定重要文化財の雨錫寺(うじゃくじ)阿弥陀堂で行われる。御田とは、御田祭(おんださい)や御田植祭(おたうえさい)の略称で、田遊(たあそ)びとして一年間の稲作の過程を歌や踊りを模倣的に演じ、その年の正月に五穀豊穣を神社などに祈願する予祝(よしゅく)行事とされる。室町時代中期に始まったともいわれ、江戸時代の絵図や、御田台本とされる書物に「御田擣」という名称で残されている。戦争や水害などで一時中断されることはあったが、今日まで綿々と続いてきた。
有田川流域には、かつて9地区で正月行事として御田が伝承されてきたが、現在は杉野原を含めて3地区で、雨錫寺阿弥陀堂のような舞殿を持つのは杉野原だけである。昭和41年には和歌山県無形民俗文化財の指定を受け、昭和62年には国の重要無形民俗文化財に指定された。そして、平成6年には和歌山県文化奨励賞を受賞している。
通常の御田行事は田植えの場面までが多いが、杉野原の御田舞は、田起こしから収穫や籾摺りまで稲作の20を超す生産工程を舅が婿に教えるという形で演じられる。舞に先立ち御渡りの後、12〜13人の褌姿の屈強な男衆が円陣を組み、紫燈(大火鉢)を囲んで太鼓を打ち、「謡囃」を唄いながら回り踊る「裸苗押」があり、それらが杉野原の御田舞の特徴といわれている。
昭和40年に「杉野原の御田の舞保存会」が発足し、昭和52年からは隔年の奉納になり、現在は平成の偶数年の2月11日に実施されている。この御田舞は主役が30代までというほど所作の動きが激しく、伝承のために隔年開催や演技時間の短縮など、時代の変化に添いながら伝統を守るよう取り組んできた。その一環として、地元の小学校と連携協力し、地域学習として子供たちに御田舞の中の「田植え子」の役を指導するなど、後継者育成の努力を続けている。その保存継承に関する活動と業績が認められ、平成16年には地域文化功労者表彰を受賞している。
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