第35回 伝統文化ポーラ賞 地域賞

避難先の仮設工房(窯場)

  • 大堀相馬焼協同組合(おおぼりそうまやききょうどうくみあい)
  • 昭和46年設立
  • 福島県
大堀相馬焼の伝承・振興
大堀相馬焼は、福島県双葉郡浪江町大字大堀一円で生産される焼物である。地元で採掘される「砥山石(とやまいし)」が原料の釉薬による不定形なひび模様「青ひび」と、馬絵という「走り駒」の絵柄、保温性もある「二重焼」と呼ぶ二重構造の3点が特徴で、日常使いの親しみやすい陶器として知られる。
はじまりは元禄3年(1690)とされ、相馬藩の保護・奨励のもとで生産・販路の拡大を図り、江戸時代後期には100数戸の窯元が軒を連ねたという。明治維新後の近代化に伴いその数は減少するが、その後も20数戸の窯元が伝統を守り続けた。
昭和46年に大堀相馬焼協同組合が設立され、同53年、大堀相馬焼は「伝統工芸品」に指定。毎年「大せとまつり」(5月)の催事や、平成14年に展示販売スペース・登り窯・研修センターなどを備えた大堀相馬焼物産会館「陶芸の杜おおぼり」を開設するなど、現在まで積極的に継承・復興に努めてきた。
しかし、平成23年3月11日、東日本大震災が発生。福島第一原子力発電所の事故災害により、全ての窯元が浪江町外への避難を余儀なくされた。さらに、砥山石などの原料も、放射能汚染で新たな採掘ができなくなった。この産地消滅の危機に対し、組合は「いつ浪江に戻ってもいいようにみんなで焼き物を続けよう。大堀相馬焼団地を作ろう」と、避難先である二本松市に拠点を移動。平成24年7月に新たな物産会館「陶芸の杜おおぼり二本松工房」を開設。また、砥山石の代替材料を福島県ハイテクプラザと一緒に開発し、青ひび釉を復元することにも成功した。
大堀相馬焼という地域文化の継承には、今後も大堀相馬焼協同組合の積極的な活動が期待されている。
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