第36回 伝統文化ポーラ賞 地域賞

母 木村澄子の三回忌追善演奏会で「壇の浦」を演奏。杵屋喜三郎宗家はじめ金沢ゆかりの方々が助演した。
平成27年10月25日 石川県立音楽堂邦楽ホールにて

  • 木村 陽子(きむら ようこ)
  • 昭和30年生まれ
  • 石川県
金沢素囃子の継承・振興
邦楽のオーケストラと称される金沢素囃子。唄と三味線からなる長唄と、小鼓、おおかわ、太鼓、笛などからなる鳴物の二つの技法から構成され、歌舞伎囃子の流れを汲む総合芸術。歌舞伎の劇場音楽として発展し、劇場を離れた純粋音楽としても演奏されるようになった歴史を持つ。
木村陽子さんは、母の故・木村澄子(長唄 杵屋喜澄、囃子 望月太以)の長女として生まれ、幼少期から「芸を高めるのには毎日の努力しかない」と、祖母や母に三味線と長唄、鳴物の手ほどきを受けてきた。長唄芸名をきね喜三以満きさいま、囃子芸名をもちづき 。舞台で演奏する譜面はすべて自分で書き写すようにという祖母や母からの教えを守り、稽古に励み、長唄は唄方と三味線方両方、鳴物は笛以外すべての楽器をこなす。オーケストラの指揮者がほとんどの楽器に精通しているのと同じように、素囃子が一人では完成しない総合芸術といわれる所以である。
昭和48年、18歳の時に長唄宗家十四世杵屋六左衛門師の内弟子になり、昭和58年より長唄宗家十五世杵屋喜三郎師に師事。囃子は、十代目 望月太左衛門師、十二代目 望月太左衛門師、五代目 もちづきぼくせい師に師事した。
平成6年、十二代望月太左衛門襲名披露演奏会で母娘二代で歌舞伎座出演。平成7年には第1回「日本の祭典」でニューヨークのカーネギーホールに金沢素囃子保存会として母娘で出演している。その母の木村澄子は平成16年、第24回伝統文化ポーラ賞の地域賞を受賞している。 現在、木村さんは母の木村澄子から継承した長唄、囃子の会「ほうかい」主宰、金沢素囃子保存会の副理事長を務めており、金沢茶屋街の「ひがし」「主計かずえ町」の芸妓の指導を継承。自身の娘の木村千裕さんら弟子を育てる一方で自らも研鑚し続けている。祖母から母、そして娘へと三代にわたる、こうした師承の芸の継承発展に尽力したことが、今回の受賞になった。
close