第37回 伝統文化ポーラ賞 地域賞

紀要「秋篠文化」創刊号〜第10号。
CD、DVD付き。

  • 特定非営利活動法人奈良芸能文化協会
    (とくていひえいりかつどうほうじんならげいのうぶんかきょうかい)
  • 平成17年設立
  • 奈良県
奈良の伝統芸能の調査・研究
かつて「まり遊び唄」や「手遊び唄」など、時代を経て口承・伝承されてきた唄や踊りの民俗文化が生きていた。それがいつの頃からか、日常から消えつつあることを危惧し、奈良を中心とした民俗、音楽、歴史文化の専門家が集まり、調査・研究を重ねているのが平成17年に設立された特定非営利活動法人奈良芸能文化協会・伝統芸能専門部会である。この部会は古都・奈良の芸能文化の振興と活性化に寄与するために、平成12年に秋篠音楽堂運営協議会 伝統芸能部会として開始し、現在は特定非営利活動法人奈良芸能文化協会としてさまざまな芸能の「掘り起こし」「公開」「記録化」を進めている。
奈良県には「法隆寺地域の仏教建造物群」「古都奈良の文化財」など3つの世界遺産があり、豊かな自然の景観を背景にした古代からの史跡、堂塔伽藍や神仏像がその姿をとどめて保存されている。
加えて素晴らしいのは、これらの歴史的景観を舞台にして年中行事、ほう、祭礼のなかで行われるしょうみょう・雅楽などの伝統芸能や神楽・盆踊りなどの民俗芸能が伝承され、それを実際に見聞できることである。
そうした背景の中で、伝統芸能専門部会は近鉄百貨店内に設置された「秋篠音楽堂」を拠点とし、「社寺に伝わる伝統文化」と「庶民に伝わる民俗文化」の両方について調査を進め、公開公演や解説講演会を通して積極的に情報発信をしている。具体的には伝統芸能や廃絶した大和萬歳、江州音頭などに先行する祭文音頭、獅子舞など、奈良県の伝統・民俗芸能の調査研究紹介事業の成果として、研究誌『秋篠文化』(平成15年創刊)を、秋篠音楽堂の後援のもと、編集・刊行し、大学や図書館に寄贈している。その『秋篠文化』の号数は、創刊号の特集「大和の神楽」から第11号「大和の仕事唄」(8月刊行予定)まで重ね、CDやDVDなどの動画や音源をつけるなど資料性の高さが評価されている。
公開公演などの開催実績は、平成13年には第1回「春日大社の音」、平成14年の第3回は「東大寺の音」修二会声明、平成15年「大和の神楽」などを開催し、平成22年には平城遷都1300年祭の県民活動支援事業として「法隆寺の音 聖霊会/世界平和祈願法要」など大きな催事も企画している。
こうした有形文化財とは異なる無形の文化遺産の保存と継承に資する真摯な営為と地道な活動が高く評価されて、今回の受賞となった。
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