第38回 伝統文化ポーラ賞 地域賞

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祭りの最大の魅力である、2日目の深夜に行われる「引き合い」(けんか)の様子
すれ違いざまに互いの行燈を壊し合う勇ましい若衆の姿は必見だ

  • 福野夜高保存会(ふくのよたかほぞんかい)
  • 昭和30年設立
  • 富山県
夜高行燈と夜高祭の保存・継承

「福野夜高祭」は、約360年前から富山県南砺市の福野地域に伝えられてきた”復興の祭り”である。慶安5年(1652)、全戸を焼失するような“福野大火”で焼け出された人々は、復興のために伊勢神宮から神様の「御分霊」を願い出たという。その御霊を携えたご一行の到着が夜になり、行燈の灯りを掲げてお迎えしたのが祭りの由来と言われている。ちなみに「夜高」とは、「夜高く掲げる」ことを指した行燈のこと。

この祭りを継承している「福野夜高保存会」は昭和30年に発足。毎年5月に福野神明社の春祭りとして開かれる「福野夜高祭」は、笛や太鼓の前触れのお囃子も賑やかに、行燈を載せた曳山20台ほどを、町の若衆たちが担いで練り歩く。製作期間は平均3カ月ほど。高さ約6メートルほどの行燈は、竹の骨組みに、和紙を唐獅子や牡丹などを象って貼った吊り物や山車などを重ね、蝋で補強してから紅などで彩色。最後にご神灯となる電球を組み入れた心木を中心にして、台座に組み上げていく。

特に「文久の大行燈」(1861−64年)と呼ばれた江戸時代末期の行燈は、高さ12メートルもあったそうで、保存会の新事業として平成12年に復元している。その年の祭りで初披露され、平成16年7月には富山県無形民俗文化財の指定を受けた。この頃から地元だけではなく、近県への観光PRや伊勢神宮参拝など積極的な活動も展開している。

平成23年には、約170年前に洪水から礼拝堂が復興した起源を持つフランス・リヨンの「光の祭典」に、”復興の祭り”のシンボルとして参加。平成25年、平成29年には福島県南相馬市の「相馬野馬追」に参加し、東日本大震災からの復興を願う支援活動のひとつとしての交流が始まっている。

平成29年、こうした国内外での復興支援活動が高く評価され、日本ユネスコ協会連盟主催による「プロジェクト未来遺産」に登録されることが決定。これら伝統的な祭りの継承と、復興支援活動の姿勢が評価されて、今回の受賞となった。

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